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ある日の新歓企画会議
「今回の議題は5月半ばに行われる新歓についてですが、なにか提案はありますか?なければ昨年と同様立食パーティーになりますが...」
司会をするのは我らが生徒会副会長御劔擢兎。
ほとんどの生徒が、大和撫子のように綺麗な彼を見つめていて、話が前に進まない。
擢兎は溜め息をつき、会議を終了しようと口を開こうとした。
「はい!鬼ごっこがいいです!」
鼻息を荒くしながら訴えるのは我らが腐男子来栖朱希君。
「鬼ごっこ...ですか?」
ザワザワと騒がしくなる会議室。
「すみませんが、鬼ごっことはなんでしょうか?」
騒がしくなった原因は、皆鬼ごっこというものを知らなかったからだ。
「鬼ごっこは逃げる人と追いかける鬼役の人に別れて、鬼役の人が逃げる人を捕まえる遊びです。」
とりあえず一般的なほうの遊び方だけを説明する朱希。
「それだけでは、すぐに終わってしまいますし、面白味に欠けますね。」
そう擢兎に言われてキランと目を光らせる朱希。
「実は僕もそう思って、色々改良をしたものを考えたんです。これがその説明書です。」
朱希は1枚の紙を擢兎に渡す。
「とりあえずこちらは生徒会で預かって検討してみます。決まりましたら次の会議の際、報告します。それでいいですか?」
ニコッと王子様スマイルをする擢兎に、朱希以外の生徒は真っ赤になったり、机に突っ伏したまま動かなくなる。
「はい!お願いします!」
と朱希も負けじと笑みを返す。
「それでは今日の会議は終わりにします。皆さん、解散してください。」
その声とともに、一斉に飛び出していく生徒達。擢兎と朱希の笑みのせいだ。
擢兎も朱希の企画書を手に持ち、会議室を後にした。
残った朱希は、誰もいない部屋で、
「フフフwww楽しみだなぁ♪」
と腐的な笑いをしていた。
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