転校生登場

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今度は毬藻頭に向かって口を開く。 「まr...君も少し声のボリュームを落として喋ってくれないかな?ここは食堂で、たくさんの人が集まる場所なんだ。中には静かに食べたい人だっているかもしれない。それを君は邪魔することになるんだよ? あと、俺は君の恋人にはならないから。」 「君じゃなくて涼風って呼べよ!恋人は名前で呼びあうんだぞ!あと名前教えろよ!」 さっき俺が喋ったこと聞いてないのかこいつ... 「だから...よく知りもしない、というか初対面のやつに名前を教えるつもりもないし、恋人じゃないって言ってるだろ...あと煩い。」 「なんでそんな酷いこと言うんだよ!わかった!誰かに脅されてるんだな!誰だ!?俺がそいつを殴ってやる!」 いやいや、なんでこの流れで脅されてることになる?しかも殴るって... 「あのね、俺は誰にも脅されてないし、殴る?俺はなんでも暴力で解決しようとするやつは嫌いだよ。」 冷たい瞳で毬藻頭を見ると、だんだん目が潤みだしてきた。潤んでるのはもちろん毬藻頭だ。 「はいはーい!そこまでー。涼風ちゃん泣かないのぉ、君もぉ、これくらいで勘弁してあげてぇ?」 どこからやって来たのか、やたらチャラチャラしたやつが、俺と毬藻頭の間に入ってきた。 「俺はぁ、生徒会会計の深見空知(フカミソラ)だよぉ。それとぉ、」 会計が自己紹介してる途中で、なにかが俺を後ろから羽交い締めにする。 「君の後ろにいるのがぁ、書記の黒瀬有人(クロセユウシ)だよぉ。」 よろしくねぇ、て言いながら毬藻頭を撫でる会計。後ろの書記はなんか俺の首もとに顔埋めてるし。 「あの...なにしてるんですか?」 「ん...い...にお...する...」 匂い?さっき食べてたやつの匂いか? 服の袖に鼻を近づける。よくわからん。 「なんか臭います?」 「!?おれ...こ..ば、わか...?」 「聞き取りづらいですけどわからないことはないです。」 そう書記に言うと、凄い力で抱き締められた。 「君ぃ凄いねぇ!有人の言葉わかるのってぇ、俺達とぉ涼風ちゃんくらいだったんだよぉ?だからぁなつかれちゃったみたぁい ♪」 「お前凄いんだな!」 『のぉぉぉぉぉぉ!!!!!』 「...」 ヘラヘラ笑う会計に空気読めない毬藻頭、さっき聞こえた悲鳴?は恐らく朱希、書記は無言で俺にくっついたまま... ハァ...
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