蘭湊真の憂鬱

新入生歓迎会

「あの人、会長達に説教してたよね?」

「あの人になら、怒られてもいいかも//」

「冷たい瞳で見られたい//」

「なんか俺Mに目覚めたかもしれない...」

「総受けならぬ総攻めﾊｧﾊｧ」

いつぞやの食堂事件を見ていた生徒達がMに目覚めた瞬間だった。

そんな会話が壇上の下で飛び交っているとは露知らず、湊真は擢兎からﾌﾞﾚｽﾚｯﾄを受け取っていた。

「あの、私も逃げる人を捕まえることができるのですが...蘭君を捕まえてもいいでしょうか...」

「え...?」

こちらを上目使いで覗き込んでくる副会長。
誰が誰を捕まえるって?

「まぁ...追いかけるのは勝手ですけど...俺は捕まらないですよ?」

ﾌｯと口角を上げて挑発的に言う。

「!!?絶対に捕まえてみせます///」

副会長を煽っただけだったな。しかし何故顔が赤い?そうだった、副会長は赤面症だったな。

と自己完結しながら壇上から降りた。