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残り30分逃げ切るか、朱希達に捕まえてもらうか...特に叶えてほしいこともないしな。
俺は走りながら携帯を取り出すと、朱希に掛ける。
プル...プルルルル
『もしもし?湊真?どうしたの?』
「ハァハァ...もしもし、朱希?今どこにいる?」
『今?愁犀と凪沙と一緒に体育館にいるよ?』
「ハァハァ...そうか...」
体育館にも少なからず鬼がいるだろうしそこに自ら飛び込むのは危険か。
『湊真?なんかあったの?もしかして追いかけられてる?』
「ハァハァ...あぁ、まぁな...」
『僕なにかしたほうがいい?』
「いや、ハァ...なんとかするから大丈夫だ。ハァ...朱希はそのまま2人といるんだ。」
『わかった...湊真、気を付けてね?』
「あぁ...」
ピッ
不要になった携帯をポケットに戻す。
「この状況で電話とは、随分余裕だな。」
「...別に余裕ではないですよ?会長。」
「そうか?まぁ、すぐに俺が捕まえてやるがな。」
「なにを言ってるんですか?蘭君を捕まえるのは私です!」
「いえ、俺は誰にも捕まらないので。」
「俺が捕まえたい!!」
「お前はそもそも鬼じゃないから。」
そういえば会計と書記がいないな...
ピンポンパンポーン
『只今、会計の深海空知様と黒瀬有人様が捕まりました!』
どうやらあの集団の誰かに捕まったようだ。
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