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『残り10分となりました!ここからはまだ捕まっていない人の場所を逐一放送していきたいと思います!』
進行役である放送委員長がマイク越しに話し出した。
『えー、ちなみに、現在生き残ってるのは...生徒会長の獅堂劉明様、副会長の御劔擢兎様、1年Aクラスの綾野涼風君、そして1年Sクラスの蘭湊真君です!』
僕達は顔を見合わせた。
「もう4人しか残ってないのか。」
「みたいだね...でもこれってまずいよね?」
「だな...どうやら湊真達は一緒の場所にいるみたいだし、鬼が集まるのは時間の問題だろ。」
あの後放送委員長は、湊真達は特別棟の北側にいるって言っちゃったし。
「どうしよう...湊真が捕まっちゃう!」
僕はいてもたってもいられなくて湊真の所に向かおうとした。
「待てって朱希!」
「離して愁犀!湊真のとこに行かないと!」
「俺達といろって湊真に言われたんだろ?」
「そうだけど...!でも湊真のことほっとけないよ!」
「わかってるよ?だから一緒に行こ?湊真は僕と愁犀といろって言ったんでしょ?僕達が一緒に行けば湊真との約束も守れるじゃない。」
そう言って微笑む凪沙。焦っていた僕の心に少しだけ余裕ができた。
「2人ともごめんね?湊真になにかあったらって思ったら平常心じゃいられなくて...」
しゅんと頭を下げると愁犀がポンポンと頭を撫でてくれた。
「気にすんな。俺たちも湊真を心配する気持ちは一緒だから。」
「そうだよ!みんなで湊真を迎えに行こ?」
僕の手を包み込むように握りしめる凪沙にニコリと笑う。
「うん!2人とも行こう!」
湊真、すぐに行くから待っててね!僕が湊真を捕まえるんだから、他の人になんて捕まっちゃ駄目だからね!
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