新入生歓迎会

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さて、次は... 「おい、まり...なんかもう面倒くさいな。おい。」 毬藻頭に向かって喋る。 「ん?なんだ?どうしたんだ?」 鬼の暴走にポカンと口を開けて見ていた毬藻頭は、俺に話しかけられて一瞬ビクッとなりこちらに振り向いた。 「お前に仕事だ。俺はここから逃げたい。だから協力しろ。」 「手伝ったら名前で呼んでくれるか?」 「苗字ならな...」 毬藻頭と人前で言えないから丁度いい。 「わかった!どうしたらいいんだ!」 苗字でも呼ばれるのが嬉しいのかちゃんと協力するようだ。 「それじゃあ...」 周りに聞こえないように小声で毬藻頭に話す。 「わかった!じゃあ言ってくる!」 そう言ってある場所まで走り出す毬藻頭。その場所は鬼の群衆のど真ん中なんだが。 もともと毬藻頭を捕まえにきたわけではない鬼達は一瞬そちらを見やるがすぐに揉めだす。 「お前涼風になにさせるつもりだ?」 「彼にしかできないことですよ。」 そう...俺の言うことを素直に聞き、鬼ではないあいつにしかできないこと。 どうやら目的地に着いたようなので、俺も行動を起こすことにした。 「それじゃあ、俺はこれで失礼しますね?」 「は?」 「え?」 きょとんとする2人に背を向け、毬藻頭に向かって全速力で走り出す。
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