新入生歓迎会

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鬼の間をすり抜けるように走る。まぁ、捕まらなければ触れても問題ないんだがな。 「え?蘭様!?」 「なに!?どういうこと!?」 突然の俺の行動に戸惑いと動揺の鬼達。 それも俺の計画のうちなんだがな。 動けない鬼をよそに走ると、待機していた毬藻頭を見つけた。 向こうも俺を認識して、言われた体制になる。 自分の体の前で両手を組み、片膝をつく。 俺は組まれた両手に足を掛ける。すると毬藻頭は、その両手を全体重をかけて空中へ持ち上げる。 毬藻から離れ、空中を飛ぶ俺を、口をあんぐり開けて呆然と見る鬼達と会長と副会長。 計算通り目の前に現れた木の枝を掴み、一回転して木の根本にストンと降りた。 パンパンと手を叩きながら、チラっとさっきまでいた場所を見る。そして、 『はーい!時間になりましたので終了しまーす!皆さん戻ってきてくださいねー!』 「時間きたみたいだね。皆さんご苦労様でした。」 フッと湊真が妖艶に笑うと、その場にいた全員が顔を真っ赤にした。
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