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「名前で呼んでください!副会長じゃなくて擢兎って呼んでください!」
体育館いっぱいに聞こえるくらい大きな声でそう発した。
予想もしていなかった副会長の発言に俺は勿論、全生徒も唖然とした。
「駄目...でしょうか...」
伏し目がちに此方を伺ってくる副会長。
なんだか小動物のようで可愛く思った。
「クスッ...別に構いませんよ?」
そう言ってやると、一気に顔を上げてパァっと花が咲いたように明るくなった。
「本当ですか!?」
「えぇ、擢兎先輩?」
一応年上なので、先輩をつけておいた。
それを聞いていた生徒達は、
「いいなぁ副会長様、僕も名前で呼ばれたい...」
「副会長が可愛いすぎる!」
「湊真の馬鹿ぁぁぁ!名前呼びとか王道じゃないかぁぁぁぁ!」
と多種多様な発言が飛び交う中、
「副会長様に馴れ馴れしくして...赦せない...
貴方も制裁対象だよ...
蘭湊真(ニヤ)」
ざわめく中、冷たい声がそう呟いたことに気づいた者はいなかった...
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