序章ー旅立つ理由ー

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レイスの家は城から北西にある。 つまり、城壁のない北側から入城する事になり、城の中心と執事長の私有地にある執事長の家と野菜農園を一望する事になる。 「セイリーン城か、冒険で成果挙げればいつかは来ることになるだろうなとは思ってたが…」 「魔王討伐の旅より先に来ることになったね」 執事長の野菜農園を避けてそのまま闘技場へと行こうとする二人に、 腰まであるボサボサの灰色の髪を無造作に纏めた、どう見てもスラム街にいるようなボロ布を羽織った執事服の男が話しかけてきた。 「夏みかん」 「執事長、言われてもいないお土産強請られても無理です」 「とんでもないの連れてきてくれやがって…」 「見る目はあるつもりなんですよ」 「トマト収穫するか」 「じゃあいこうか、レイス君」 「…ん?あぁ」 闘技場に向かいました。
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