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観葉植物から変異したファイアプラントは、家の壁を破壊し集落の他の家を襲おうとする。
レイスは未だに寝間着のままのため、戦いやすい服に着替えるために自分の部屋へ急いで向かう。
「母さん!あの魔物足止めして!」
「…しゃーなし、世間体の為に働きますか」
シリアは怠そうに魔物の方を向き、白衣の内側から水色の液体が入った試験管を取り出し、魔物に投げつけた。
魔物に当たり、割れた試験管から出てきた液体がネットのように広がり魔物の動きを止める。
「捕獲と消火、一石二鳥の試験薬「水網さん」。
これを本来の用途で使う日がくるとは、これだから世界は面白い…」
「シリアさんだ…」
「シリアさんが働いてる…だと?」
「こりゃあきっと、明日には空が足元に広がってるね」
同じ集落の人たちに散々言われているが、これが普通である程度には彼女は酷い性格なのだ。
「…はっ!そうだ!はやく魔物を!」
一人がそう言うと、周りの人たちも動きはじめ、魔物を袋叩きにしようとする…のをシリアが制する。
「下がってな」
「な、シリアさん何を…」
近くの一人がそう聞こうとした瞬間…
ドスッっと音をたてて、シリアたちの家の壊された壁の向こうから飛んできた大剣が魔物に突き刺さる。
「レイスの邪魔にしかならないからねぇ」
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