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「なぁ?今って二年のスプリンター何人居る?」
「今?多分外周走ってる奴を合わせれば…俺をあわせて三人ぐらいだ。」
「三浦は?」
「あいつも来てるよ。」
結城は持っていた鞄を投げ捨てて軽く伸びをした。
「なぁ~今からそいつら集めてくれねぇか?」
「別に良いが…何するんだ?」
結城は口元に笑みを浮かべてスタブロを見つめた。
「なるほどそう言うことか。良いだろう。」
部長も結城の考えを察したのか笑みを浮かべて部員に声をかけた。
「集合!!」
部長の声で部活をやっていた一年生が集まってきた。
「今からちょっと仕事をしてもらいます。とりあえず三浦と中島を呼んできて。後、27ぐらいのスパイク持ってる奴貸してくれ。」
部長の声でみんなが動き出した。
少しすると外周を走っていた奴らが帰ってきた。
「結城?集まったぞ?」
「おっ!来たな!」
「おぉ!結城じゃん!何やってんの?」
「ちょっとな!詳しくは部長に聞いてくれ。」
部長は静かに立ち上がって話し出した。
「いいか?今から結城の入部をかけて俺ら陸上部のスプリンター二人と結城が100の勝負をする。そこで一年にはちょっとやってもらいたいことがある。」
部長が今回の主な話の流れを部員に話した。
「と、まあ内容はこんな感じだ。スタートは俺がやる!わかったか?それじゃ…」
部員に声をかけようとしたとき結城は部長の話を止めた。
「何言ってんだよ?お前も走るんだよ。」
「は?」
「このレースは俺の入部を賭けたレースだろ?部長のお前が出なきゃ話にならねぇだろ?」
「なるほどな…分かった良いだろう。よし!じゃあスタートも誰か変わってくれ!」
部長の号令で一年生が役割についた。
「うしっ!やるか!」
走る気満々の結城の後ろから部長が声をかけてきた。
「おい結城!お前もこれにはき変えろ!」
「なんだこれ?」
「短距離用のスパイクだよ。俺らがスパイクでお前だけ普通の靴じゃフェアじゃねぇからな。みんな同じ条件で走ろうぜ?サイズはお前と同じサイズの奴のだから丁度良いはずだぜ?」
「さすが部長だな。」
結城は渡されたスパイクに履き変えスタートに立った。
こうして結城の入部を賭けたスプリントレースが始まった。
そうこれがすべての始まりだ。
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