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私と悠希の出逢いは本当に予期しなかったことで。
それと同時に最悪でもあった。
なぜなら、悠希が元カノに平手打ちされて盛大にフラれたときに、近くにいたのが私だったのだ。
それは昼下がりのカフェの出来事で、本を読んでいた私が二度見するくらいに衝撃的な出来事だった。
茶色の髪に、はっきりとした目鼻立ち。
綺麗な顔立ちの彼が少し痛そうに左の頬を押さえていた。
(……修羅場って、初めて見た……)
そのときの私はそんなことしか考えてなかった。
あくまでも他人の話。
けれど、ちょっとだけかわいそうに思ったのも事実で。
だから氷だけになったグラスにハンカチを巻いて、彼に声をかけたんだ。
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