一抹の幸福

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「…おはよ、桐谷。」 「要っち、おはよ!」 要っちこと石井要が挨拶してきた。 まるで気にしてないみたいだけど、一応遅刻だぞ? 留年とか気にしないのかな。 俺が挨拶をすると、要っちは俺の隣の席に着いた。 この様子から見て、気にしてはいないだろう。 「なぁ、お前……」 感情を抑えた声で、要っちが声をかけてくる。 「んー?何?」 「………いや、何も。」 要っちが黙る。 俺はふーんとだけ言って教科書を取り出した。
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