~出逢い、そして始まり~

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「ええ、分かったわ。じゃあね、ミトちゃん」 そういってドアを優雅に閉めた。 「なんで知ってんのよ…」 ミト、とは。 あたしの幼なじみからつけられたあだ名だ。 まさか、はめられた? 確かにそうかも。 だって、“偶然”神谷のお坊ちゃんがやられてるとこを、“偶然”通りがかったあたしが倒して、“偶然”倒れる、なんてあり得ないし。 あの道はバイト先から帰って来るのに使う道だし、時間もいつも一緒。 あの絡んでた奴かなり弱かったし。 あんなザコ相手に倒れる訳ないし。 まず、うちの親がそんな要求出して二つ返事で返すはずがない。
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