突然

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ピザ屋に電話して、母親が泊まる部屋の窓を開けた。 本当に来客だけの部屋。 シングルベッドが2つ。 一人掛けのソファーが二つとセンターテーブル。 テレビと俺の部屋に必要なくなった書籍棚を置いてある。 会社を立ち上げたときには、いろいろと本をあさり読んだが、 もう今ではそんなことはしていない。 一人分の布団を出して、乾燥機にかける。 ほかの部屋は、 物置にしている部屋と、書斎にしている部屋。 あとは、俺の寝室。 リビングダイニングは40畳はあるか。畳じゃないから解らないけど。 さっと掃除をして、健太郎の荷物を運び入れた。 衣類をクローゼットにしまって、教科書などを棚に入れた。 本当にここで暮らすのか? 有里は今どこでどうしているのだろうか。 連絡先… そんなものがわかれば、とっくに連絡してるって。 マンションのエントランスのインターホンが鳴った。 ピザ屋だな… ふと見ると、健太郎がゲーム機を握りしめたまま、眠っている。
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