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あれから…
時間が経って、俺のいない生活に慣れてきた頃…
美結は、
俺のあとを継いで、団体の理事長になった。
と言っても俺みたいに飛び回る訳じゃない。
ほとんどが、報告を受けて了承や決済をするのが仕事みたいだ。
理事長の妻ということでお話をもらって、
ろくに考えもしないで引き受けたみたい。
どうやら、やりたかったらしい。
俺のやってた仕事。
笑ってる。
よかった…
俺が座っていたソファーには誰も座ろうとしない。
まるで俺を待っていてくれてるみたいに。
結花がボーイフレンドを連れて帰ってきたと言っては、柊と健太郎が家にやってきて、
どんなヤツなのか、
どういう付き合いか聞いている。
「父さんがいたら大変なことになってるよ…」
「きっと、居るよ。
父さん。多分誰だそいつって怒ってる。」
そう言って俺のソファーの方をみる。
だな。
まだ早い。
まだ誰にも食われるな。
俺がいいって言うまで。
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