突然

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「あんなのはダメだ。 まだ打ち合わせの段階じゃないのか? とりあえず、問題点だけを提起しておいた。 決定できるだけの材料もって会議に出てこいと伝えておいてくれ。 今日は帰る。 この荷物を車に運んでくれ。」 「え?ですが、今日はまだ予定が…」 情けなさそうな困った顔で俺を見つめる、高林。 「全部キャンセル。 またにしてくれ。 わかるだろう? 今はそれどころじゃないんだ。 それより荷物を頼む。」 「社長の車には積めないかと。 しばらくお待ちください。」 諦めたように高林が部屋から出た。 あ、そうか。 さすがにポルシェには積めないわな… しばらくして、警備員が荷物を運んでいった。 会議中に剥がしたガムテープを張り直してくれていたようだ。 「社長のあとについて行くように言ってあります。」
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