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「入って来い」
レンの言葉で、教室に入って来た女性。
その姿が視界に入った瞬間──
思わず立ち上がってしまった。
「……ルアン?」
隣からアスラの声が聞こえたが、視線は入って来た女性から外せない。
「……リーシャ?」
「久しぶり
──ルアン」
その返答で、相手がリーシャだと確定した。
「何故……!?」
何故、此処にいるんだ?
死んだとばかり思っていたのに……
「私も、村を出ていたから助かったのよ
ルアンが村から出て行ったって聞いたから、探していたの
だってあの日の前日、良く行っていた山の一部が崩落したって聞いたから……
だから、私は巻き込まれないで済んだのよ」
「……そうか」
それはよかった。
──全員が死んでしまったものだと思っていたから、一人でも生きていて。
「今はどうしているんだ?」
俺はジークに引き取られたからいいが、リーシャは今までどうやって生きてきたのか……
「私は孤児院へ連れて行かれたの
アトラスにルアンがいるって噂があったから、急いで来たんだけど
学園に通うつもりなんてなかったし、今まで通っていないから、一年として入る事になったんだけど……ルアンと同じクラスになったのは良かったわ」
リーシャは俺より二歳年上だ。
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