祝杯をあげよう

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「そ、そうですか? 私の料理が、ルアンの口に合ったようで嬉しいです」 好きな人に手料理を褒められるなんて、これ程嬉しい事はない。 頑張って料理を取得してきた甲斐がある。 ルアンにしか作る気はなかったけれど、ルアンが望むなら、あの人達に食べさせる為に作ってもいい。 「皆に、俺達の部屋の前で待っているように言ってある」 「えっ!? あの部屋で祝いをするのですか?」 流石にそれは予想していなかった。 でも私はルアンに反発する気はない。 「分かりました 先にエンドドロップへ報告書を出してきます」 「俺も行こう ジークは今、暇かな?」 ……もしかして、総帥を連れていこうと考えて……? (そんな事をすれば、皆緊張すると思うけれど……) ルアンはそういった事には疎い。 ルアンの周りはいつも凄い人達がいたのだから、それに慣れているルアンからしたら、緊張する意味すら分からないのかも知れないけど。 (ルアンって、緊張した事ってあるのかな?) そんなルアン、今までに見た事がないし。 入学式の時だって、私は同い年の人と接する機会もなかった事もあり、少し緊張していたけど、ルアンは相変わらずマイペースだったし。
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