祝杯をあげよう

4/27
前へ
/863ページ
次へ
エンドドロップへ転移し、報告書を書いている最中に、ルアンがいなくなっていた。 総帥室へ行ったのだろう。 やはり、総帥を連れていこうと考えていたみたいだ。 ユリアさんの許可が下りるとは思わないけれど。 毎回、抜け出した総帥を探し、仕事をしろと怒っている人。 総帥の使い魔なのだけど、いつも総帥を探しているってイメージしかない。 最高位天使のセラフィムだと知ったのは、つい最近だ。 報告書を提出し、ルアンを待つ。 勝手に入っていくのはルアンだけで、私達は総帥室に勝手に入れない。 一種の結界なのだろう。 ルアンの正体を知った時、ルアンのすぐ後ろを歩いていた為、一緒に入れただけらしいし。 通常は許可がないと、私達は入れない仕組みになっている。 それは隊長達も同じようだ。 ルアンは知っているのだろうか? 結界には敏感だから、知っていておかしくはないけど。 総帥室って事もあり、ルアンは気を抜いているだろうから、気付いていなかったとしても納得できてしまえる。 やはり、総帥が保護者だからだろうか? ルアンが不貞腐れた表情や駄々をこねたような発言をする相手は、総帥だけだ。 総帥の前にいるルアンは、どの時よりも幼い。
/863ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35535人が本棚に入れています
本棚に追加