祝杯をあげよう

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「では買い物をしてきます」 「俺も荷物を持とう」 「俺様が持つから、お前は何もするな」 ルアンが荷物持ちをすると口にした途端、ゼン様がそれを止めた。 「荷物を持つ位、平気だぞ?」 「駄目だ 俺様は許可しない」 いつもゼン様がいるから、私達ですらあまり側に寄れない。 過保護になっている気がするけど、あんな事があった後だし、ゼン様の気持ちは解る。 「荷物は俺が持つ ルアンは先に戻ってはどうだ? クラスメイトを待たせたままなのだろう?」 アズキスさんに言われ、部屋の前で待たせているままなのを思い出したのだろう。 「頼んだ」 一言そう告げると、ゼン様の転移で消えた。 「……ルアンは相変わらずだな」 ルアンがいた方を見ながら、アズキスさんが呟く。 人の為に動く、お人好し。 周りの思惑に鈍感で、少し天然。 「アズキスさんがいらしたら、皆さん緊張なさるでしょうに」 あの五人の祝いの席なのに、たぶん始終緊張する羽目になるだろう。 (それにしても、後5人は誰が来るんだろう?) 聞くのを忘れた。 誰だったとしても、別に構いはしないけれど。
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