祝杯をあげよう

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スクリード様やヴァキア様の話も聞きたかったけれど、アスラとアズキス様が姿を見せた為に、話は終わりになった。 アスラはともかく、アズキス様もフードを被っていない。 隣にアスラがいなかったら、アズキス様だと分からなかっただろう。 「アスラ、大変だろうけど、頼む」 「はい ……指導役の方達もいらしているから、多いんですね」 チラッ……て見たアスラの視線に、ハロさん達は萎縮したように固まった。 「手伝いたいけど、俺は邪魔にしかならないからな」 そんな雰囲気には微塵も気付いていないようなルアンがそう言うと── 「ルアンは皆さんと一緒にお待ち下さい」 俺達には見せない笑顔を、ルアンへと向けているアスラ。 「アスラの料理は美味しいから、皆に食べて貰いたくてな」 ルアンが笑顔を向けると、一気に顔を赤くしたアスラは、お待ち下さいとだけ言ってキッチンへと消えた。 ……ルアンって、これも計算じゃなさそうだよな。 アスラが料理をしている間、また話を聞きたいと思ったんだけど…… ルアンの隣にアズキス様が座ったせいで、話しかけづらい。 「ルアン、スクリードやヴァキアはいつ来るんだ?」 「任務が終わってから来ると言っていた」 二人で会話を始めたから余計に。 (アズキス様は、ルアンに敬語を使わないんだな) ルアンは敬語で話されるのが嫌みたいだし、ルアンの願いをきいたって事なんだろうか?
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