祝杯をあげよう

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(でも、引き取られたのは八歳の時で、帝王として任務をしだしたのは11歳の時だったんだよな?) それなら、その三年間は何をしていたんだ? 特訓をしていたって言っていたけど……もしかして、ずっと特訓続きだったのか? それこそ、悲しむ暇もない程に。 俺達がした特訓とは比べ物にならない程の事を、僅か八歳から始めたというのか? (話しかけていいんだろうか?) ルアンがアスラと話している時ですら、話しかけるのは躊躇われる。 割り入れない雰囲気があるからだ。 特に、使い魔と話している時は更に話しかけにくい。 (……でも、ルアンは畏まられるのが嫌って言っていたしな) 友人になりたいのだから、こういう時に躊躇ってちゃいけないよな。 「三年間、ずっと特訓をしていたのか?」 声をかけると── (やっぱり……睨まれるか) ルアンへ向けられる表情とは一変した、冷たい視線が向けられる。 アズキス様、雰囲気変わり過ぎ。 かなり恐い。 「ああ ジークに引き取られるまで、俺は魔法の出し方すら知らなかったからな」 ルアンは、背後で俺を睨むアズキス様に気付いていないのか……シレッと爆弾発言をした。
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