祝杯をあげよう

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「ルアンの特訓の仕方は、普通じゃなかったのか?」 俺が話しかけたからか、ヨルダもルアンへと話しかけた。 「アスラから聞いただろう? 魔力量を制限したまま、魔法を使うのは危険だと だが俺は、制限したまま魔法を使っていた それこそ、何度も魔力切れになる程に」 「ッそんな危険な事を……」 俺達を睨んでいたアズキス様は、また表情を一変させ、心配そうな顔でルアンを見ている。 確かに親バカっぽい。 俺達が零番隊に近付く事なんてできやしないが、零番隊は排他的だと有名だ。 帝王様にしか、心を許していないと── アズキス様は、えんじ色の髪に、焦げ茶の瞳を持つ、40代位の人だ。 確かに、ルアンを息子として見ても不思議じゃない年齢。 総帥はまだ若いし、父親というよりは兄だと言われた方が納得はいく。 二人共、ルアンを大事に思っているのは違わないんだろうけど、その接し方が違うのだろう。 「確かに体に痛みはあったが…… すぐに消えたし、問題はない」 「そうか…… もうしないでくれるのなら、それでいい」 ルアンの頭を撫でているアズキス様は、優しい親の顔をしている。 子煩悩な人なんだろうか? 親になって貰ったと言っていたけど、どんな経緯があったんだろうか?
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