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「そんな危険な事、俺様がいるのだから、もうさせない」
アズキス様も、大魔王様も、ルアンを本当に大事にしている。
帝王様だったから……という、簡単な理由ではないんだろう。
その理由を聞きたいけれど、来客を告げる音に、話は一時中断となった。
出迎えに行こうとしたルアンを、アズキス様と大魔王様が止め、アズキス様が玄関へと向かった。
そして──
戻ってきたアズキス様は、元いた場所に座る。
でも、他には誰も歩いてこない。
(誰か来たんじゃなかったのか?)
追い返したとか?
……流石にそれはないか。
「スクリード
此方に来ないのか?」
ルアンの言葉でようやく顔を出したのは、20代中頃位の男。
濃いグレーの髪に、紺色の瞳。
髪は少し長いようで、襟足が肩についている。
でもやはり、その様子に驚いた。
幼い話し方をする人だとは知っていたけど、オドオドしている様子を見ていると、零番隊隊員には見えない。
ルアンに声をかけられて部屋へ顔を出したスクリード様だったけど、また引っ込めてしまった。
(どうしたんだ?)
俺達だけでなく、ハロさん達も困惑した顔をしている。
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