祝杯をあげよう

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「大丈夫だ 怖がる必要はない 此処にいる人達は、スクリードに何もしない」 ルアンが再度声をかけると、オズオズと部屋へ入ってきた。 だが、その言葉に驚きだ。 (“怖がる”?) 何に対して? スクリード様は俺達よりも遥かに強いのに、何を怖がる必要があるんだろう? スクリード様はルアンの隣に腰を下ろし、ルアンの服を掴んだ。 スクリード様の頭を撫で、そんなルアンを大魔王様が怒る。 アズキス様にとっては、これは日常なのか…… 特に驚く様子も見せないけれど、俺達は違う。 (零番隊隊員って、ルアンをただの上司だと思っていないのか?) アスラもそうだ。 ルアン以外は切り捨てている感じだ。 ルアンは零番隊は家族だと言ったが…… これって家族か? アズキス様は親っぽいけど、スクリード様はどう見てもルアンベッタリだ。 年齢はスクリード様が上のようだけど、歳の離れた弟みたいだし。 (スクリード様を弟だと認識しているのか?) 慈しむような笑顔を向けているルアンを見ていると、親のように見えなくもないけど。 それとも、続柄は関係なく、“家族”として接しているってだけなのか?
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