祝杯をあげよう

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「これで全員が揃ったな キリヤ、ヨルダ、イルア、ルウ、モア、隊員昇格おめでとう」 俺達へ向けられる言葉と笑顔。 (ルアン…… 周りを見てくれ) 俺達、かなり睨まれているから。 零番隊が集まって、帝王様から祝いの言葉を贈られたんだから、妬みの対象になるのは分かるんだけど。 「こいつらと親しいのか?」 「クラスメイトだ 同じように勉学に励む仲間が、エンドドロップに入隊したんだ 祝いがしたくてな」 ヴァキア様と話しているルアンだけど、ルアンの背後に座った為、ヴァキア様の顔は見えない。 ローブを着たままだし、背後にいなかったとしても、フードで見えないけど。 「破壊者と何処に行くつもりなんだ?」 「誰から聞いたんだ?」 「破壊者が吹聴してた」 それって、破壊者様自らが言い触らしていたって事か? ルアンと出掛けるのが、そんなに嬉しいって事なんだろうけど…… 帝王様の正体を知って、動揺とかはなかったんだろうか? だって、尊敬して傾倒していた相手が、16歳の少年だったんだ。 少なからず衝撃はあったと思うし、尊敬する気持ちがなくならないでも、何かしら思うところってなかったのか? 俺は正体を知って余計に尊敬したけど……隊長達もそうなんだろうか?
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