披露会

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《ルアンside》 次元の狭間にいると、回復は順調のようだ。 ゼンが何処からか入れたベッドの上に、大人しく寝転んでいる。 意識を失った後、気がつけば此処にいた。 (キリヤには悪い事をしたな) 打ち合いの最中に倒れてしまったから、きっと驚かせてしまっただろう。 (ギルとララは、大丈夫だろうか?) 此処にいると、時間の感覚が掴みにくい。 魔力量を回復させる為、ずっと寝ているのも原因の一つだろう。 ひたすら眠り、食事を摂ってまた眠る。 魔力が減った場合、ゼンが補給する。 そしてまた眠る。 ずっとそれの繰り返しだ。 眠たくなくなる事もなく、いつも眠い。 此処に来る前には、あまり眠らなくても良くなっていた筈なのに。 ゼンが言うには、気が張っていて無意識に睡魔を拒んでいたからなんだとか。 今は回復の事だけを考えろと言われたけど、如何せん、考えなくてはいけない事が多過ぎる。 だけど、早くレイの元に行きたいって気持ちもある。 今無理をしても、それが遅くなるだけだ。 だから回復に専念する事にし、こうして眠るばかりの毎日を過ごしている。 これだけ睡眠が必要な位、俺の体は休息を訴えていたようだ。
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