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《ルアンside》
味方がいると、それだけで強くなれる気がする。
その相手がアスラだから──という事もあるのだろう。
もしかしたら、リーシャの造り出した魔物の襲撃を受けた被害者かも知れないアスラだからこそ、その言葉に救われた。
俺の罪悪感が消える事はない。
だが、俺の今までを否定しない人が、被害者かも知れない内一人でもいるなら、俺は救われる。
消えた命を嘆き、救えなかった事を悔やんでいたのに、とんだ愚か者でしかなかった現状を知り、今も衝撃は大き過ぎるが。
リーシャが幼馴染みだと言う事を、以前にジークへ伝えた。
だが、ゼンからの言葉も伝えてある。
だからこそ、警戒をしろと言われた。
だけど、そんな事をする必要はなかった。
リーシャは俺へ殺意を向けるどころか、懺悔したかっただけのようだし。
あっさりと罪を認め、罰を受ける事を承諾した。
……この先、生きた人形のようになるだけだと解っていながら。
だが、何故リーシャに、そのような力が備わっていたのだろう?
クエブス村の皆に、特殊な力が備わっていたのか?
だが、俺にはそんな力はない。
リーシャだけが特別だったのだろうか?
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