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「……それは、本当なのか?」
「ああ」
頷きが返ってきて、呆然としてしまう。
ジークから呼び出され、話を聞いた。
リーシャに色々聴取をしていたようだけど、今日、研究所へと移送された。
「……どういう事なんだ?」
ジークの話によると、魔物の出現が少なくなったのは、リーシャが造り出さなくなった瞬間の一瞬だけで、今は全く変わりないらしい。
つまり、リーシャの他に、魔物を造り出している人物の可能性があるという事だ。
その可能性は極めて高く、リーシャもその人物と面識があったようだ。
“シリエ”と名乗ったらしいその人物は、リーシャによれば、男性だったらしい。
(魔物を造り出せるのは、リーシャだけではなかったのか……?)
造り出しているのか、何処からか移動させているのかは定かではないが、魔物を人界へ送り込んでいるという意味合いは同じ。
シリエという人物を捕らえる以外、真相は分からない。
……ただ、リーシャはシリエの顔を見た事がないらしい。
いつも、薄く紫がかった黒っぽいローブを被っていたようだ。
しかも、面や手袋もしていたらしい。
白い仮面には、右目に縦に模様が入っていた、と──
その人物の特徴らしきものは、何も分からないまま。
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