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《ルアンside》
学園では授業を受け、その後は任務に勤しむ。
「ルアン?
何かあったのですか?」
俺の様子がおかしい事に、アスラが気付いて声をかけてくる。
「何もない」
いつもそう返すだけ。
心配そうな顔を向けられても、今は笑顔なんて作れない。
愛想笑いなんてできない。
任務後、報告の為にエンドドロップへ戻る。
ジークはいつも引き留めようと声をかけてくるけど、今は説教なんか聞く気分じゃない。
だけど、今日は違った。
「説教をする気はない
話を聞け」
そう言われ、足を止める。
「魔物討伐をするのはいいが、そろそろ零番隊隊長に戻る気はねぇのか?」
「肩書きは必要ない」
そんなもの、俺にとって重荷でしかなかった。
必要だと思えない。
「肩書きより、姿を曝すな
民の中に、シリエの協力者がいる可能性もある
ルアンの周りの奴等が襲われるのは嫌だろう?」
そう言われては、反論ができない。
俺のせいで、アトラスの皆が狙われる事になるのは嫌だ。
そんな事は望んでいない。
「ローブを被る」
「用意してある」
差し出されたのは、白銀のローブ。
ウルガとの戦いで、俺のローブは消滅した。
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