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ヨルダの動きは猪突猛進型。
前にしか進まない。
引くという事を知らず、不意に横や後ろから攻撃された場合は弱い。
だからこそ、俺に聞きに来たのだろう。
「剣の握り方を、相手に合わせて変えてはどうだ?
力加減が難しくなるかも知れないが、広範囲に攻撃ができるようになる」
後ろに引かないのなら、そういう戦い方もある。
俺も幻武の握り方を変える事がある。
「えっ!?
どんな風に?」
「そうだな……
実際に剣を見せた方がいいか」
ボックスを開き、双剣を取り出す。
これは魔武器ではなく、ジークから渡された普通の剣。
(……いや、普通ではないか)
魔剣に分類される物。
だからこそ、魔力が戻るまで使用を禁じられた。
魔剣を抑える力がないと、扱ってはいけないと。
魔剣として使う場合は、魔物討伐の時だけ。
まずはヨルダと同じように剣を握り、剣を振るう。
双剣はあまり使った事がないが、全くない訳ではない。
一通りヨルダと似た動きをした後、剣先を逆に握る。
そのまま剣を振るう。
まずは前方へ。
次に側面へ。
最後に後方へ。
……ヨルダの持ち方でも、腕を回せば後方へ攻撃できるが。
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