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エンドドロップへ向かう。
今日は俺専用の入り口から。
入る前にローブを被る。
これで泣き腫らした顔を見られずに済むだろう。
皆はすぐに、俺を心配するから。
「今日は遅かったな」
総帥室に入ると、ジークに言われた。
「少し寄り道をしていた」
「……まあ、そういう事にしといてやる」
ただの寄り道でない事は、ジークには筒抜けのようだ。
だけど、今の俺には必要な時間だった。
ガルヴォルの死を背負うのでなく、彼の善意を無駄にしない為にも、俺は前を向かなければ。
今も悲しくないと言えば嘘になるが、俺は立ち止まっていられないから。
そんな事をすれば、ガルヴォルに怒られてしまう。
「最近の状況は変わらず……か?」
「ああ
魔物が多く出現している
魔獣は減ったが、魔物が餌にしているだけだろう」
魔物がどうして増えているのか、未だに分かっていない。
ただの現象なのか、人為的なものなのかすら分かっていない。
駆り出される隊員達。
現場には貴族も出てくるようになったのに、依頼書は増えるばかり。
解決の糸口さえない。
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