破滅か、防衛か

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(元凶を特定しないと、このままでは皆が倒れてしまう) 一番いいのは、ゲートを設置している場を押さえる事。 でも、任務に追われている今の現状では、それは不可能に近い。 既に魔物が現れている場所に、改めてゲートを設置しないだろうから。 今の現状が長引けば長引く程、治安を保つのは難しくなる。 そんな時、ジークから連絡が入った。 (特定はできたのだろうか?) 模倣する力を持つ者を調べると言っていた。 どんなやり方で情報を得ているのか、俺は知らない。 俺には無理をするなと言うくせに、ジークは自分の心配をしない。 俺は、親しい者を失い、悲しみに暮れる人をなくしたいと思っている。 でもジークは、魔力量が多い者が受ける差別をなくそうとこの組織を立ち上げた。 この世界に平和を齎す為という理由もあるが、元々学生の時から考えていたらしい。 今とは違い、昔はかなり魔力量が多い者への迫害が酷かった事は、隊長達の話で分かっている。 そんな状況下での設立は、並大抵の事ではなかっただろう。 皆の前では飄々としているジークだが、どんな苦労をしてきたのか……
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