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カギを手に入れたぼくは夜の町に繰り出した。
お母さんは床に転がるほど喜んでいて気付いてない。
トラックできたときはオレンジ色だった空が真っ黒になっている。お月様をさがしたけれど、どこにもみあたらない。せっかくのタンケンもこうなっては不気味だ。
マンションをでて十秒で帰る決意をしたぼくは、キレイなまわれ右をヒロウして歩き出そうとした。
そのとき、後ろから声をかけられた!
「ぼく、このへんじゃみないこね。お名前は?」
やばい!夜の町はゼンラのヘンタイが歩き回る危険なところだ、とかなたが言っていたのを思い出す。ぼくもかなたのようにヘンタイにおいかけられてしまうかもしれない。
でもまんがいち、後ろにいるのがヘンタイじゃなかったら失礼だ。ぼくはえろばれた子供だからそんな失礼なことはできない。
勇気をふりしぼって後ろをみる。
「あら、おばさんの顔になにかついてる?」
そこにはオバサンという生き物がいた。
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