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「……?」
言葉の意図が解らず、首をかしげる。
「ふふ、この言葉でいろいろな女性がおちて来たんですけどね」
「??」
いろいろな女性が、おちて来た…
綺麗な顔立ちからは似合わない浮ついた言葉に目を瞬かせた。
「……」
2,3歩開いていた彼との隙間がまた一歩と増える。
金持ちの男性とは女を弄ぶものだとたった学んだ。
完全に怪しむような視線でその人の顔色を伺う。
その人は私が距離を取ったにも関わらず楽しそうに口元を押さえて笑ってる。
「まあ…冗談ですよ。 だから、離れてかないでください」
笑いを堪えるその姿を見ると思う。
「私が無知だからって…からかわないでください」
「無知、だからじゃなくて
時計を見上げる貴方の姿がかわいらしかったので…からかったんです」
「? そんなにアホ面でしたか…?」
いつも遠目から眺めているせいか
近くで見上げる城の時計は新鮮でつい見行ってしまっていた。
今思うとかなり恥ずかしい姿だったと思う。
「可愛かったですよ」
「なんだか含んだ言い方な気がします…」
可愛かったの裏に感じる言葉を想像して恥ずかしくなった。
熱を持った頬を隠すように視線をうつ向かせる。
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