還り出す運命の環

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「はいはい、今日から入ってくれる新入社員の紹介をするよ」 そんな私の悶々とした不毛な思考を遮るように、人事部の松尾 芭蕉―――ばっしょさんがぱんぱんと手を叩いて皆を呼んだ。 確かに、面接の話は聞いていたが、その日、私は面接に行っていない。 副社長という地位から会うことが必要だと思わなかったから迷った。 しかし、周りの人々は私の存在に違和感を抱かない。 副社長という立場は、何故か忘れ去られることが多かった。 性格的な理由が一番そうさせているのだろうが…そんなに緩いのか、私はッ!! 本日2度目の心の叫びをあげたところでその二人はばっしょさんの部下、河合 曾良に連れられてやって来た。
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