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「上之宮副社長…」
扉がノックされた。
しかし、返事はない。
返事がないのを訝しんだその人は、扉を押し開けた。
重厚で、副社長らしい落ち着いた雰囲気の部屋に違和感はない。
いや、一点だけ違和感は存在した。
椅子の処に服だけが落ちている…ように見えた。
不思議に思い、其の人は近づいてその服を手に取ろうとした。
その瞬間服に隠れていたその人と、上之宮を訊ねてきたその人の眼が合った。
「っ……ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
会社中にその甲高い悲鳴が響き渡ったのだった。
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