還り出す運命の環

6/11
前へ
/38ページ
次へ
「上之宮副社長…」 扉がノックされた。 しかし、返事はない。 返事がないのを訝しんだその人は、扉を押し開けた。 重厚で、副社長らしい落ち着いた雰囲気の部屋に違和感はない。 いや、一点だけ違和感は存在した。 椅子の処に服だけが落ちている…ように見えた。 不思議に思い、其の人は近づいてその服を手に取ろうとした。 その瞬間服に隠れていたその人と、上之宮を訊ねてきたその人の眼が合った。 「っ……ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 会社中にその甲高い悲鳴が響き渡ったのだった。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加