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茶色い髪が見える。
現代では珍しくもなんともない、普通の髪だ。
けれども、自分には其れがとてもとても珍しいもののように思えてならなかった。
其の人が纏っている真紅のジャージでさえとても珍しく、とても……愛おしいものに感じた。
今すぐ触れたい。
そんな衝動に駆られるが、私はその人の事を知らない。
知るべきではない、知ってはいけない。
心はそう警告してさえいる。
しかし、どうしようもない警鐘を鳴らす心の裏側で、愛を失って久しい枯渇した心はその人を求めて、求めて………。
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