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「閻魔!!」
携帯電話を取り出してかなりのコール音を聞いた後やっと繋がった電話の相手の名前を開口一番に叫ぶ。
「何」
案の定携帯からは短く気怠い声がすぐに返ってきた。
きっと携帯を数センチ離してから電話に出たのだろう、少し遠い。
面倒くさそうな声の主を無視して私は単刀直入に本題を言う。
「カレー作ってくれ」
「嫌だ」
秒速というか即答というか。
しかしそれは予想の範疇だ。
だから口元に余裕の笑みを湛えて次の言葉を発した。
「もう材料は購入済みだし、既にお前の家の前にいる」
そう言い切ると一方的に電話を切り、電話の相手―――閻魔 大王―――の家の玄関の扉を開けた。
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