飛んで火に入る夏の虫

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「前田さんは、整形後歌手・俳優養成所の会社の副社長のポストを用意しています。 そして定期的にオーディションを実施して有能な人材の発掘に力を注いで貰いたい」 北條豊が微笑みながら呟く。 「おぅ、まともな仕事じゃねえか」 「表向きはね。社員は五人の小さな会社。前田さんは一人だけ子分的な存在というか片腕となるような男性を連れてきて貰いたい。給料は40万という事で……」 「解った社長! では後ろに……」 北條豊は前田に促されてライトバンに乗り込んだ。 (何処へ行くんだろう?) 小林豊がポケットから光沢のある黒いカードを取り出した。 『ピー』という音と連動してライトバンが沈み出した。
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