巧妙な罠

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タイガーマスクが威勢よく扉を開けた。 中にいる美菜は一瞬ビックリした様子だったが、侵入者がタイガーマスクだとわかると、柔和な顔つきになった。 「何やってるんだ?」 タイガーマスクが尋ねた。 「欲しい物を紙に書いてるのよ」 「なにぃ! 欲しい物だって。奴隷の癖に、おまぇ贅沢だな。 ちょっと見せてみろよ」 タイガーマスクが紙を取り上げた。 几帳面な文字でびっしり書いてあった。 食べ物(ハンバーガー、ラーメン、カレーライス、寿司、緑茶、プリン) 「たくさん書いてあるな。 美菜が、せっかく書いたのだから全て叶えてあげよう」 「えっ、本当ですか?」 美菜が瞳をキラキラさせながら言った。
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