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───シーンッ
「えっ?何この反応?」
突如現れた赤髪の男子生徒は、教室内の生徒の反応にポカンとする。
───ザワザワザワッ
「何だあの人・・・めっちゃ不良じゃねぇかよ・・・」
「あの人と1年間一緒なの?嫌だわ・・・」
「血が付いてる・・・あれヤバイ系の人じゃない?」
当然の如く、生徒達は彼に怯え始める。
カッターシャツが血で濡れている赤髪の少年を見れば、誰だってそーなる。
空「(こ、怖っ・・・!!)」
彼だってそーなる。というか青ざめていた。
「あ、あれ?何で皆、怯えた表情して・・・。
───ハッ!?」
───バッ!!
すると、彼は皆が怯えている理由に気付いたのか、カッターシャツの血が付いた部分を隠す。
「待て!!これはあれだ!!不可抗力ってヤツで───!!」
涼「ちょっとー?」
彼が言い訳らしき言葉を並べる中、涼子が面倒くさそうに声を掛ける。
涼「貴方、このクラスの生徒?
悪いけどもう帰ろうとしてた所なのよ。だから今は、軽く自己紹介をして帰って頂戴」
たとえ、さっきまで喧嘩してましたオーラを醸し出している生徒が相手でも、彼女は退かない。
そこら辺のヘタレ教師も見習って欲しい程だ。
「えっ?そうだったんすか?
何だよ・・・だったら早く言ってくれりゃあいいのに」
空「(君がそんな髪と格好だから、言おうにも言えなかったんだよ!!)」
決して口には言わず、心の中で突っ込む。
そんな中、彼は皆にスッと手を差し伸べ、
「俺の名前は、『不知火 蓮』だ。よろしくな!!」
ニカッと笑って、握手を求めた。
───瞬間、教室内から皆が逃げ出した。
勿論、空も逃げ出した。
涼「へぇ・・・貴方が・・・」
ただ1人、涼子を除いて。
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