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───またまた場所は変わり、体育館。
在校生や教職員の拍手によって迎えられた新入生は、緊張しながらも用意されたパイプ椅子に座る。全員が着席した所で、入学式が挙式された。
「───校長式辞」
入学式が始まってから数時間後、佳境に入った所で校長先生の話に移る。
空「(あぁ・・・ここから長くなりそうだなぁ)」
校長の話と言えば、とにかく長い。死ぬほど長い。それを中学時代に経験していた空は、独りため息を吐く。
───カタンッ
体育館内にいる皆が教壇へ目を向けている中、そこに校長が上がる。
白髪が生え揃っているものの、体格が良くて身長も高い。ホームページには60代と書かれていたが、とてもそうは思えない程若い。
その若さで新入生を驚かせる中、校長はニッコリ笑って言葉を放った。
「ヤッホーッ!!ハッピーうれピーよろピクねー!!」
空「(あっ、ウザイ系の校長だ)」
たったそれだけの挨拶だけで、空を含む新入生全員が直感でそう感じた。
「ふぅ・・・よし、掴みはオッケーじゃな。
えー、儂の名は『道畑 英樹』じゃ。愛称はミッチー。この学園の校長を勤めておる。
我が等不恋芽学園に入学した諸君!!本当におめでとう!!儂から言う事はただ1つ!!自分の思うがままに、青春を謳歌してくれ!!以上!!」
校長は無駄に高いテンションで挨拶を終えると、壇上から走り去る。
空「(あれ?意外と早く終わった・・・ていうかなんでわざわざ走って壇上から降りたの?)」
校長式辞の短さと去り方に疑問を持ちながらも、空は前に目を向ける。
───結局、予定より入学式は早く終わり、空も含む新入生達は各々の教室へ戻った。
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