等不恋芽学園へようこそ

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───自己紹介が始まってから数分後。 涼「じゃあ次、どうぞ」 スッと女子が席に座ったのを見て、涼子は次の男子に自己紹介を促す。 ───いよいよ、空の出番だ。 空「(落ち着け・・・落ち着くんだ。出だしで高校生活が決まると言っても過言じゃない。ここで男らしく決めてやる!!)」 ───ガタッ!! 彼の高校デビューに対する思いはほとばしるほど強い。空は心の中で意気込むと立ち上がり、口を開いて大きな声で自己紹介をした。 空「僕の名前は成宮空!!誕生日は3月3日!!好きな料理はハンバーグ!!夢は男らしくなる事!!以上です!!よろしくお願いします!!」 ───バッ!! しっかりと言い切った・・・清々しい気分になりながら、空は頭を下げる。これなら、安心して漢を目指していける。空はそう確信した。 期待を膨らませながら、空は頭を上げて担任の反応を見る。 涼「なるほど、背伸びしたショタね。でもそういうキャラ、嫌いじゃないわよ?はい、次どうぞー」 空「(ショタって思われてたー!?)」 涼子の容赦無い言葉に、空は胸にグサッと槍が突き刺さる感覚を覚えた。 空「(終わった・・・僕の高校デビュー・・・)」 崩れ落ちるように着席し、空は悲しみの涙を流す。そんな空を見て和む周りの女子生徒、約10名。 涼「───うん、これで全員ね。あと欠席者が3人か。じゃあ最後は、私の自己紹介で締めるとしますか。 さっきも話した通り、名前は立川涼子。この学園に来てから5年は教師をしてるわ。担当科目は古典。古典嫌いの教育は任せなさい。因みに、私には可愛くて男らしい夫がいるから、男子は狙っても無駄よ」 全員の自己紹介を聞いた後、涼子は得意気に自己紹介をする。ついでの情報にあった夫持ち発言に、数多くの男子が絶望する。 空「(男らしいか・・・僕もそうなりたいなぁ)」 当然、このショタは絶望しないどころか、いつものように意気込んでいた。
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