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暴動から数日、漸く動けるようになった少年は用意されていた服に袖を通し、ある場所に向かう。
長い廊下を歩いていく。
目指すのは、初日に案内(連行)された部屋…強欲の執務室。
"コンコン"
「どうぞ」
中から聞こえた声に促され扉を開き入ると、整然と積み上げられた書類が最初に目に飛び込んできた。
その目を左右に揺らし声の主を探す。
窓際にある本棚の前に立っていた。
白い髪の青年は開いたファイルを手に、入ってきた少年を見る。
「どうしたんですか?カル君。セリーヌ様は外出中ですが」
「いえ、ニコライさんに用事があったんです」
「何でしょうか?」
開いていたファイルを閉じ近寄る
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