11人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
青年は少年を中央の台に案内すると、左奥上段の大きな引き出しを開け、中から火薬の入った箱を取り出す。
二箱取り出すと台の上に置いた。
「護身用でしたら、この量で足りるでしょう。但し、この火薬は改良型ですから少量でも威力はありますので、扱いには注意してくださいね?」
「…試作品を試せる場所はあるの?」
「ありますよ。私の実験場ですけどね」
クスリと笑い少年を見る。少年は顔色変えずに返す。
「その実験場お借りしても良いですか?」
「構いませんが、私はまだ仕事があるので、実験場のチット族に案内をさせますよ」
「実験場のチット族?」
不思議に思い聞き返す少年に青年が答える。
「結界術を学んだチット族に大規模爆破を防いで頂いているんですよ。セットした火薬の爆破を半径10mの円で結界を張ってもらうんです。でないと、セリーヌ様に叱られてしまいますからね」
青年は電話猫で呼び出すと執務室に戻り
成程と納得した少年は、呼ばれたチット族の案内で実験場へと向かうのであった。
☆おわり☆
最初のコメントを投稿しよう!