手のひらの砂粒(スナツブ)

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その日は少し曇っていた。 雲の隙間から漏れ落ちる光が、新しく出来た集落を照らす。 出来たばかりの集落、人といえば ほんの一握りだけしか居ない。 そんな集落の一際(ヒトキワ)大きな住宅の扉が開く。 僅かな光にその人物の髪は黄金色に輝いていた。 波打つ髪を風に遊ばせ、出てきた家を振り返る。 「…では、この許可状(契約書)のもとに貴殿達の滞在許可、我への税を納めよ。良いな?」 「有難うございます。承知致しました」 返答を聞いていた金色の女性は、頭を下げていた男性を指差し 「今日から主(ヌシ)がまとめよ。ここ数日見てきたが、一番人望が高いようだからな」 「…え!?それは…皆に聞いて…」
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