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まだ…倒れる訳にはいかないのに
既に、足の感覚が薄れてきましたね…手の感覚も…
…探すのも疲れてきました…
彼らを置いて、逝けはしないのに…瞼が…………
「ニコライさん!」
空から降る微かな声は、耳に届けど…体が思うように動かない。
水を吸い重くなった体を、敵の隙をついて来た獣人が抱え上げる。
近くに居た鞄猫はニコライにしがみつき、獣人は苦しそうな声をたて建物の物陰に入る。
微かな呼吸をするニコライを乾いた土の上に寝かせ呼び掛ける。
「ニコライさん」
「……っ……」
「ニコライさん!?」
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