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消えかかった意識が、再び呼び戻される。
痛みを感じられなくなっていた体に、痛みが走る。
動かせるようになった手を動かせば土の感触。
止まりかけた呼吸が戻り、再び内臓器官が動き始める。
顔色が戻ってきたニコライが口を開く。
「…コガネ…鞄猫、から…茶色い、小瓶を…体力が半分以上…回復、しますから…」
ニコライの指示に、コガネが鞄猫から小瓶を取り出しニコライへ差し出すと、左手を上げて指をさす。
「君が…飲みなさい。私は、土に…触れて、いれば…大丈夫ですから…」
「だけど…!」
「君に、生かされた…だから、無理はしませんよ…安心して、下さい…」
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