境界

3/5
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
消えかかった意識が、再び呼び戻される。 痛みを感じられなくなっていた体に、痛みが走る。 動かせるようになった手を動かせば土の感触。 止まりかけた呼吸が戻り、再び内臓器官が動き始める。 顔色が戻ってきたニコライが口を開く。 「…コガネ…鞄猫、から…茶色い、小瓶を…体力が半分以上…回復、しますから…」 ニコライの指示に、コガネが鞄猫から小瓶を取り出しニコライへ差し出すと、左手を上げて指をさす。 「君が…飲みなさい。私は、土に…触れて、いれば…大丈夫ですから…」 「だけど…!」 「君に、生かされた…だから、無理はしませんよ…安心して、下さい…」
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!